お客様の滞在時間が自然と伸びる「棚」の工夫

お客様の店内滞在時間を伸ばしたい、と多くの人が言われます。

たしかに、目的のものだけ買って帰られては
本当に売りたいものを紹介する時間もありません。

長居してもらうことで
雑談がもりあがり人間関係をつくれたり
専門的なお話をさせてもらえたり
実際に商品体験をしてもらえたり・・・
次の買上につながるチャンスがうんと増えます。

この為にイスを置くのは必須
鞄などの荷物置き場も必要

そして?

じつはね、店内の広い面積を「木目」にすると良いのです。

人は、木目を肌の色と近いと感じています。
壁や床、テーブル、イス、そして「棚」です。

棚は店の都合で、スチールを採用している店舗が多いようです。
水拭きもしやすいし、棚を足したり増やしたりも自由度が高いし・・・
なんだか長持ちしそうだし・・・

でもね。
スチール棚は、安売りのイメージしかありません。
オシャレ感もなし。
スチール棚が空いていると欠品にしか見えませんが
木の棚は、空いたら一輪挿しでも置いたら、おもてなしの心になります。

酒屋さんで、スチールの棚から、木製木目の棚に変えたら
照明があたると、棚の木は光を吸収して
ガラス瓶の商品がピカッっと輝きました。

どんな棚に商品を置くかで
商品の価値が変わってしまうのです。

これから棚を導入する方は
ぜひ木の棚を意識してくださいね。

でも、もうスチール棚なの~とか、
まだ棚をかえる予算はないの~という方。
大丈夫です。心強い味方があります!

それは「木目調シール」
色の濃さは、出来るだけ薄い色のほうが失敗がないと思います。
それは、日本人の肌色に近いからです。
人は、自分と同じ肌色に囲まれると安心する本能がありますからね。

木目調シールで、既存のスチール棚をリメイクしましょう。

先日も、こんなビフォーアフターの報告をいただきました。

既存の商品棚を木目調シールでリメイクしただけですが
商品そのものの単価も上がっているように感じられますね。
この棚の前で、商品説明をするとしたら?
木目調の方が専門性がアップしますね。

店の使い勝手を優先した店頭には魅力がありません。
お店の店頭はお客様の為の空間です。

長居したくなるには、安心感を感じてもらうことです。
肌色にちかい木目の面積を多くつくりましょう。
棚を木製に変える、もしくは木目調シールでリメイクしてみる。
ぜひ、やってみて下さいね。

店舗立地が屋内か屋外かによって、ショーウインドウの役割が変わる

人の観察が趣味、というよりも、すでに習性となって久しいですが。

地方に出かけると時間が取れる限り街歩きをします。
出来るだけ商店がありそうなところを探して歩きます。
そして、地元ではやっているSC、SMも歩きます。

SC(ショッピングセンター)と商店街を歩く人々を観察します。
一番大きな違いは何だと思います?

それはね、歩き方です。

SCは床が安全なんですよ。
段差もなくすり足でもつまづかず
規則的なルールとして障害物がない。
だから、キョロキョロして歩けます。
足元は見なくてもいいからね。
さらに歩行スペースに危険はありません。
あるとしたら、商品を搬入する台車が通るくらいでしょう。
(それも声掛けして台車側が安全を気を付けてくれます)

これに対してSC以外の街中は
足元を見ながら歩いています。
キョロキョロすると危険が一杯なのです。
特に日本は危ないと感じます。

歩道は小さく
車のほうが威張っているし
だいたい歩道自体に段差があるしね。
不規則な形で、さまざまな障害物が無秩序にあり
歩行者同士のすれ違いも気を使う
自転車も通ったりするし。犬も通るし、カラスも歩く。
電柱も立っていれば、街路樹もあり、歩道ブロックもある。
この雑多感が楽しい所でもあるのですが・・・

両者を比べると
店舗の入り口を、屋内と屋外で変える必要があると分かります。

屋内はキョロキョロして歩く人がほとんどなのですから
商品そのものをズバリとディスプレイしてもOKです。
でも、屋外は足元を気にして歩く人のほうが多いのだから
もうちょっと工夫が必要です。

キョロキョロしませんから
店の正面を正面から見てくれることはありません。
店の入り口は、進む方向に向かって真横になりますから
ほとんどが視界の外になります。

シューウインドウのディスプレイをどんなに頑張っても・・・
店舗が屋外にある限り、その効果は小さくなってしまいます。

ウインドーショッピングなんて言葉があるくらいですから
ショーウインドウに力を入れたらお客入店に貢献するのでは?
・・・実は、それほど貢献しないのが事実です。

ショーウインドウは店の正面にあるので
歩きながら店のショーウインドウを見ること自体が困難です。
わざわざ店の正面に立ちどまり
見る気で見なければ見えないのがシューウインドウですね。

それなのに
多くの店ではショーウインドウを正面から見て作り込みます。
そうやって見る客はほとんど居ないにも関わらず。

商品にあこがれをもっている客は
入店よりも商品を見たくてシューウインドウを見ますから
名前の通りショー的に見せるに適しています。
入店にはあまり繋がりませんが
商品のファンを作る事はできます。

それから、大きな壁面だとしたら
店の前を通る車から目立つようにできるとしたら
「何の店かな?」と多少の興味は引けるでしょうが。

では、ショーウインドウは無意味なのでしょうか。

私は相談を受けた店の店頭で
店前を通り過ぎる人を半日とか観察することがあります。
この人たちはシューウインドウは見ません。
ショーウインドウを通してあるものを見ます。

それは、店内です。

ショーウインドウのバックから店内が見えないとしたら
入口ドアから店内を伺います。

つまり
店前を通る人は
店内を覗きたいのです。

だから、せっかく入り口ドアがガラスなら
訳もなく貼ってあるポスターなどを剥がそうよ!

店の正面にはってあるポスターなんて
ショーウインドウ以上に立ち止まって向き合わないと見えないのだから。
それよりも、店頭から店内が覗き見えるほうが
入店客を増やすのに有効です。

従来の店頭

一瞬チラ見する人にも専門性が伝わるように
店頭から見える店内をしつらえ直しました。

入店する人の質が大きく変化しました。
この店舗の隣は高級寿司店なのですが
そちらと間違えて入店する人までいました。

店が提供するものを
見た目一瞬でわかるようにするのが
店頭をしつらえる目的の一つでもあります。

外から見える店内を
専門性がわかるように整えること。
店頭を数秒間で通り過ぎる通行客に
表から垣間見える店内の様子で何を伝えますか?

今すぐ、写真に撮って確認しましょう。

ポスターをはがした後のテープ後もキレイにしましょうね^^

ヘラがあるとより便利

店舗は非日常の最先端であるべし。絨毯の効用。

お家をキレイに快適にする目的で
ホームセンターで買い物するとしたら
そのテンポがキレイで快適でオシャレでなくてはいかんよな。

と、常々思っておりましたが
新しいHCには、そうした店舗が出現してきている。

大規模店でコレができるのに
小さな身店舗で出来ないのは
即効息の根がとまっちゃうのでは?

店舗が小さいということは
隅々まで目が届き
演出が作り込めるはずなのに。

高揚感だったり
安堵感だったり
いったい、自分の店は何を感じる店なのか?

店だから・・・
といって間に合わせの什器や小物を置いてはいけない。
自分の自宅居間に置きたくないデザインを
店舗だからという理由で置いてはいけないのです。

お客は「買い物」経験値がたまり
買い物が鍛えられています。
「こんな店に住みたい」と思ってもらえないと
買い物されないか、値切られてしまいます。

お客に
「ここに住みたいわ~」
と言ってもらえていますか。

日常では財布は開かなくなりました。
非日常が財布の口をあけるのです。

非日常は面倒くさいものです。
ちょっと気を許すと雑多なものに店内は占拠されてしまいます。
お客にとっての非日常は
店にとっての面倒くささなの。
店側が便利なのはバックヤードまで。
お客の非日常で店舗をしつらえましょう。

こうした演出に一役買うのが「絨毯」です。
店舗の足元である床には結界があります。
人は誰もが床に立ってつながっているからね。
足元を見る、などという言い回しがあるくらいですから
床のしつらえも重要なのね。

私の店舗実例写真を載せます。

什器の下に絨毯をしいています。

店舗で最も嫌われている“しつらえ”は絨毯かもしれません。
掃除が面倒なことを、お客がひっかかるといけないから、と
理由をすり替えているように思えます。

歩く場所に突然絨毯があっては
こうした問題があるかもしれませんが
什器のしたなら大丈夫です。

絨毯が敷かれた什器や場所は上等感が演出できますよ。

出来れば本物が良いですが
それよりも掃除されキチンと毛並毛羽立ちまで整えてあることが大事です。
いくら本物でもくたびれていては本末転倒ですからね。

店舗入り口から見えるコーナーに
赤い絨毯をしいたことで入店率が上がった店もあります。

あなたの店舗にも絨毯を敷けるコーナーが作れないか見直してみましょう。

お店の姿勢が一発でお客に伝わる物があります。

「お店の改装をするには予算がないので
 ひとまず店内をキレイにしたいのですが」
と、よく相談されます。

お店をキレイにするのは大賛成です!
た・だ・し。
お客視線で見ることができるか?がポイントです。
むやみやたらはイケマセン。

商売の販売方法は細分化に向かい出しました。

安さがウリの店と
価格以外の価値がウリの店は
明確に、お客によって使い分けされるようになりました。
どちらが勝つとか負けるとかいう店都合ではなく
どの店を選ぶかという客都合が買い物です。

私は、価格以外の価値を売る店を経営していますし
コンサル部門では、同じスタイルの店を応援しています。
このブログでは
価格以外の価値を売る店であれば必要な「店のしつらえ」を
書き溜めていきます。

「お客を迎える店」を整えることで
★期待して来店した客をがっかりさせない
★売上につながるように、あなたの専門性を信頼度をあげる
「店のしつらえ」になります。

この「店のしつらえ」整え方
まずは、お店の姿勢をお客に知ってもらいましょう。

「価格以外の価値」にお金を使いたいと感じているお客は
買い物は店とのつきあい、だと理解しています。

あなたが異性と付き合う時にどちらと付き合いたいですか?
A:俺は腕時計は〇〇で車は〇〇、家は〇〇で親は〇〇だぜ!
B:今日の髪形いいね、似合ってる^^ ランチは何が食べたい?

物の価格だけにお金を払う客をあつめるならA
価格以外の価値まで含めお金を払う客をあつめるならB

私はBの客が欲しいです。
だから、商品よりも客を大切にします、と
まだ店には行ったことがないけれど店を気にしてくれている人に
「当店は人を主役にしますよ」とアピールします。

何も言わなくても、ある物を店頭に置いておくと
「この店は客という人が主役の店ですよ」と伝わります。

それは・・・
ベンチです。椅子です。

椅子は、椅子そのものは主役ではなく、座る人が主役です。
だから椅子があるのは親切だし、椅子の種類で店との付き合い方まで分かるのです。

お客にゆっくりして欲しい~などと言いながら
すわり心地のよい椅子がない(まったくない店舗も多いです)のは論外。
荷物を置く場所も必要ですよ。
荷物を抱えたままでは心を閉じた態勢のままですから
心を開いてもらえないからね。
椅子は、お客一人につき二つ必要。

一人営業の店舗さん。
椅子は二つしかありませんでしたが、アドバイスに従って増やしました。
現在は店内に7個あります。
ビックリしたのはお客の変化でした。

それまでは、一人のお客に対応していたら
後から来た客は待たずに帰ってしまっていましたが
椅子を増やしただけで、初対面の客同士でも仲良く椅子を勧めあい
機嫌よく順番待ちをしてくださるようになりました。
店主さんは、もっと増やしたいけど、もう置く場所がないとくやしがっています。

店頭に余裕があれば、ぜひベンチを置いてみて下さい。
お客が座るとは限りません。(というか、お客はほとんど座りません)
宅配便のお兄さんが荷物仕訳に使うくらいです。
でも、店の前を通る人には「この店はベンチに座る人を主役にするんだな」と伝わります。
一人だけ座る椅子よりも、ベンチは数人座れるから「店の包容力」を表します。

★店内では、個人にしっかり対応するという意味から一人掛けの椅子
★店頭(外)には、入っても大丈夫だよと包容力を伝えたいのでベンチ

これをウェルカム感と、私は呼びます。

お客を招く感じをださなくては
新規客は怖くて入店できません。

ベンチや椅子は、木製がベストです。
人は肌の色に近い空間では、自分を不用意に目立たせず安心を感じます。
特に日本人の肌色は木肌と一緒と言われます。

★冷たい店じゃないよ
★あなたを大切にするよ

こんな気持ちが
店頭に木製ベンチを置いておくだけで伝わるんですね。

手作りできたら最高ですが、そんな技術も暇もないよ・・・
という方は、お勧めのベンチを紹介します。

まずは店頭設置場所のサイズを測ることから初めてみませんか。

これは値段的にお手頃でいいですね。

これは木製だけよりも、支える鉄が安心感も感じさせますね。